がた‐に
〘
連語〙 (動詞の連用形に付いて副詞句を作る) 困難である。…しにくい。
※
古事記(712)中・
歌謡「諾
(うべ)な諾な 君待ち賀多爾
(ガタニ) 我が着
(け)せる 襲
(おすひ)の裾に 月立たなむよ」
※
万葉(8C後)一四・三四三一「
足柄(あしがり)の安伎奈
(あきな)の山に引こ舟の後
(しり)引かしもよここば来
(こ)賀多爾
(ガタニ)」
[補注](1)
語源としては二つのとらえ方がある。(イ)困難さを表わす形容詞型接尾語「がたい(難)」の
語幹「がた」に
助詞「に」の接したものとする説。(ロ)可能を表わす
補助動詞「かつ」(下二段型活用だが古くは四段型があったろうとする)の
未然形「かた」に打消の
助動詞「ぬ」の古い連用形「に」の接したものとする説。いずれにしても「
かてに」と非常に近い用法のものと考えられる。→
かてに。
(2)
挙例「万葉‐三四三一」は「子が為
(た)に」とする説もある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報