あけほの(読み)あけぼの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「あけほの」の意味・わかりやすい解説

あけほの
あけぼの

明治初期の日刊紙。1871年(明治4)5月、木戸孝允(たかよし)の意を受けて同じ長州藩の山縣篤蔵が発行した『新聞雑誌』が、後続の日刊新聞に押されて不振になってきたため、元紙幣寮の役人青江秀(しゅう)が入り、1875年1月2日から日刊化して改題した。「旭日始メテ宿霧開ケ暁鐘一声旧夢ヲ驚覚シテ文明四海ニ敷クハ我日ノ本ノ名ニ負カサル所」から『あけほの』と名づけたが、青江が友人の電信頭芳川顕正(よしかわあきまさ)の民撰(みんせん)議院尚早論を連日掲載したため声価を落とし、部数を減じた。4月末広重恭(しげやす)が編集長として入社(末広はこのころから鉄腸(てっちょう)と号す)、大井憲太郎の民撰議院論を掲載するが、6月2日ふたたび改題して政論新聞『東京曙(あけぼの)新聞』となった。

[春原昭彦]

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デジタル大辞泉プラス 「あけほの」の解説

あけほの

明治時代日本の新聞。木戸孝允が出資して1871年に創刊された「新聞雑誌」を1875年1月から日刊化、改題して創刊。同年6月、再改題して「東京曙新聞」となった。

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