あからめ

精選版 日本国語大辞典 「あからめ」の意味・読み・例文・類語

あから‐め

〘名〙 (「あから」は、「あかる(散・離)」また「あからさま」の「あから」などと同根、「め」は「目」の意)
① (「あからめもせず」の形で用いることが多い) ふと目をほかへそらすこと。わき見をすること。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「宮の御うしろにさぶらふほどに、御文読むさかりに、上あからめし給へるまに」
古今六帖(976‐987頃)三「津の国の難波の浦の一つ橋君をし思へばあからめもせず」
② (目が他の異性に移るということで) 男または女が、ほかの相手に心を移すこと。
大和(947‐957頃)一五七「物かきふるひ去(い)にし男なむ、しかながら運びかへして、もとの如くあからめもせで添ひゐにける」
③ (ふと、目がそれているという状態であるというところから) にわかに、姿が見えなくなること。
※栄花(1028‐92頃)花山たづぬる中納言「我が宝の君は、いづくにあからめせさせ給へるぞや」

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