pK(読み)ピーケー

改訂新版 世界大百科事典 「pK」の意味・わかりやすい解説

p (ピーケー)

化学反応が平衡に達し,その場合の平衡定数Kとおくとき,K=10⁻xまたはX=-log10Kで定義されるXをpKという。pはべき(冪)powerのことである。反応系において化学平衡に関与する化学種の量,たとえば活量,濃度圧力などの間の関係はKと結びつけられる。しかしKの値はきわめて小さな値から大きな値まで,物質によってさまざまな値を示す。たとえば,水溶液中における酢酸解離平衡CH3COOH⇄CH3COO⁻+H⁺のKは,25℃で1.75×10⁻5mol/lであり,銅(Ⅱ)のアンモニア錯イオン生成についての平衡Cu2⁺+4NH3⇄Cu(NH342⁺のKは,25℃で1.12×1013mol⁻4l4である。このようにKの値には幅があり,たとえば,いろいろな物質のKの値を一つのグラフに示す場合に,Kの値をそのままの数値表現で行うのは困難である。そこで初めに定義したように,べきまたは対数でKの値を表現すれば,容易に図示できることから,化学平衡定数を表すのに,pKという表現が用いられている。マイナス符号をつけるのは便利さによるものであろう。化学平衡は,(1)酸の解離,(2)塩基の解離,(3)錯化合物生成,(4)沈殿生成,その他化合物の生成,(5)加水分解などの分解反応など,多種多様である。それらのKは,(1)に関しては酸解離定数Ka(酸解離指数pKa),(2)は塩基解離定数Kb(塩基解離指数pKb),(4)は溶解度積Ksp(pKsp),(5)に関してはKh(pKh)などのように下つき文字を付しておのおのの定数を区別し,表現に便宜をはかったりする。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「pK」の解説

pK
ピーケー

化合物の解離定数Kを,pH にならって-log Kで表したもので,酸および塩基の解離に対して,それぞれ pKa および pKb が用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「pK」の意味・わかりやすい解説

pK
ぴーけー

電離指数

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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