日本大百科全書(ニッポニカ) 「X」の意味・わかりやすい解説
X
えっくす
英語アルファベットの第24字。碑銘研究者にクロス・サインとよばれているセム文字+、あるいは×を起源とする。この文字が古典ギリシア語に取り入れられ、ギリシア西部ではks音を、東部ではkh音を表すようになり、このうち前者の音を表す文字としてラテン語のなかに取り入れられ、余分な文字ではあるが、ksやcsの組合せを示す文字として用いられるようになった。Xはキリストを表し、クリスマスはX'masと書くことがある。化学ではキセノンの元素記号であり、数学ではxは第一未知数(量)を表し、そこから転じて未知の人間や事物を示すのに用いられる。×は掛け算の記号でもあり、また座標平面では横軸をx軸という。ローマ数字では10を表す。
[斎藤公一]