Windows Vista（読み）うぃんどうずびすた

日本大百科全書(ニッポニカ)

Windows Vista
うぃんどうずびすた

アメリカ・マイクロソフト社のパソコン用OS（オペレーティングシステムOperating System、基本ソフト）で2001年に発売したWindows XPをバージョンアップした後継製品。三次元グラフィックや半透明ウィンドウによる視覚効果に訴えるインターフェース（Windows Aero(エアロ)）を採用して操作性を向上し、音声での入力をも可能にしている。また、検索・処理性能、セキュリティ機能を強化し、日本語環境を充実、ネットワーク関連機能や標準アプリケーションを追加するなど大幅な変更がなされている。Vistaは、イタリア語のパノラマ的展望の意で、あふれる情報を整理し、未来を眺望させることができるようにと命名された。2007年1月末に全世界で発売。

　日本で販売されているバージョンは5種類あり、それぞれに32ビット版と64ビット版がある。家庭向けのHome Basic EditionはWindows Aeroはもたないものの、Webサイトの閲覧や電子メール、文章作成などの基本的な機能は備えている。上位版のHome Premium EditionはハイビジョンなどTVの録画・鑑賞や写真・音楽・ビデオ・DVD用のメディア・センターを搭載し、モバイル用途向けの機能をも加えた家庭用の標準的な製品である。企業向けのBusiness Editionには小さな企業向けのツールがあり、その上位版のEnterprise Editionには暗号化やUNIX(ユニックス)サービス、仮想マシンなどの諸機能が追加されている。ほかに、これら両上位版の機能の組み合わせをもつ最上位製品としてUltimate Editionがある。

［岩田倫典］

『中山幸市・鈴木利幸・川上恭子著『Z式マスターWindows　Vista　乗換編』（2006・アスキー）』▽『篠原加奈子著『Windows XP→Windows Vista 乗り換えガイドブック』（2007・ローカス）』

[参照項目] | Windows | Windows XP | オペレーティングシステム | マイクロソフト | Mac OS | UNIX

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

知恵蔵

Windows Vista

マイクロソフト社が2006年11月に発売した最新バージョンのパソコン用OS(基本ソフト)。店頭発売は07年1月。搭載する機能の違いで以下の「エディション(版)」が存在する。最小限の機能を搭載した「Home Basic」、家庭向け機能の大半を搭載した日本では主流の「Home Premium」、ビジネス用途向けで家庭向けの機能を省いた「Business」、企業での大量導入を前提とした「Enterprise」、すべての機能を搭載した「Ultimate」、途上国向けの低価格版「Starter」(日本未発売)。従来の「XP」と比較し、セキュリティー機能の強化、ファイル管理機能の改良、デスクトップ検索機能の内蔵といった各種の改良が施されている。パソコン内蔵の画面描画機能(ビデオチップ)への依存度を高めて画面描画に関するCPUの負担を軽減する「Aero」という新機能もあるが、Home Basicには非搭載。08年前半には、Vista発売以降に配布された不具合や脆弱(ぜいじゃく)性を修正するプログラムを集積し、安定度、互換性、処理速度を向上させる「サービスパック1(SP1)」が配布される予定。

(斎藤幾郎 ライター ／ 2008年)

出典　(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

IT用語がわかる辞典

ウィンドウズビスタ【Windows Vista】

マイクロソフトが2006年に発売したパソコン向けオペレーティングシステム。Windowsシリーズのひとつ。Windows XPの後継として開発され、セキュリティー機能・マルチメディア機能の強化が図られた。Windows Aeroと呼ばれる3次元グラフィックスを多用した新たなGUIを採用。

出典　講談社

ASCII.jpデジタル用語辞典

Windows Vista

2007年1月に発売されたWindows。開発コード名は「Longhorn」。Windows Vistaで追加される重要な機能として、セキュリティの強化、ファイルの検索・管理システムの強化、IPv6のサポートなどがある。日本では家庭向けや企業向けに5エディションが発売される。Windows Aeroと命名された新しいユーザーインターフェイスは、Windows XPから視覚的、機能的に多くの改善がされている。

出典　ASCII.jpデジタル用語辞典