前立腺特異抗原(ぜんりつせんとくいこうげん)(prostate specific antigen)の略称。前立腺上皮細胞から分泌される酵素(セリンタンパク質分解酵素、セリンプロテアーゼ)の一種。前立腺癌(がん)や前立腺炎および前立腺肥大症などで血中に漏れ出すが、血清PSAはとくに前立腺癌の診断に有用な腫瘍(しゅよう)マーカーで、また内分泌療法やX線による治療などの効果観察にも有効である。健常者でも1ミリリットル当り4ナノグラム以下の低い濃度でみられ、1ミリリットル当り10ナノグラムを超えると疾患が疑われる。前立腺臓器に特異的で、前立腺癌のみに特異的であるわけではないので、やや高値を示している場合は前立腺肥大症との鑑別診断がむずかしいことがある。そのためPSA値の経時的変化や、血中に遊離して存在する遊離型PSAとの割合などを同時に調べ、前立腺癌診断の検査精度を高める。こうした腫瘍マーカーの測定キットも発売されている。
[編集部]
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出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
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