PRTR(読み)ピーアールティーアール

化学辞典 第2版 「PRTR」の解説

PRTR
ピーアールティーアール

Pollutant Release and Transfer Registerの略称.有害性のある多種多様な化学物質が,どのような発生源から,どれだけ環境中に排出され,また廃棄物に含まれて事業所の外に運び出されたかというデータを把握し,集計し,公表する制度.化学物質について,環境問題が起こらないように適正に管理していくための国際的な取り組みのなかで,PRTRはその有効な手法として注目され,1992年の地球サミットで採択されたアジェンダ21に取り上げられた.さらに先進国の集まりであるOECDでは,1996年に加盟国に対してPRTR制度の導入に取り組むよう勧告を出し,日本では,「特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」が2000年3月30日から施行された.PRTR法には,特定化学物質の環境面からの適正管理と,健康障害予防-リスクアセスメントの二つの面からの管理が唱われている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「PRTR」の意味・わかりやすい解説

PRTR
ピーアールティーアール

有害物質のリスク管理のために,工場や事業所が環境への排出量もしくは処分場への移動量を行政に報告し,行政がそれを公表する制度。"Pollutant Release and Transfer Register"の略。化学物質排出移動量届出制度環境汚染物質排出移動登録制度などとも呼ばれる。1992年の環境と開発に関する国連会議(地球サミット)で採択された「アジェンダ21」の指摘にそって,経済協力開発機構 OECDが積極的に普及に取り組み,欧米の主要国をはじめ多くの加盟国に導入された。日本では 1999年,「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」によって制度化された。法律に基づき,2002年末から毎年集計結果が発表されている。

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知恵蔵 「PRTR」の解説

PRTR

特定化学物質の把握と管理・促進法」のページをご覧ください。

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