NTTドコモ(株)(読み)えぬてぃーてぃーどこも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「NTTドコモ(株)」の意味・わかりやすい解説

NTTドコモ(株)
えぬてぃーてぃーどこも

日本の通信会社。NTT docomoとも表記する。前身は1992年(平成4)設立のNTT移動通信網株式会社。2000年(平成12)4月NTTドコモに名称変更。国内の携帯電話における市場占有率は第1位(2013)。

 1959年(昭和34)3月に、当時の日本電信電話公社船舶電話サービスを提供開始。その後、民営化した日本電信電話株式会社(NTT)が1987年4月に携帯電話サービスを開始した。1992年7月にはNTTの子会社であるNTT移動通信網株式会社が、NTTより移動通信事業(携帯・自動車電話、無線呼出、船舶電話、航空機公衆電話)の譲渡を受けて営業を開始した。1993年3月には、800MHz帯のPDC(Personal Digital Cellular)方式携帯・自動車電話サービス「mova(ムーバ)」を、第2世代の携帯通信サービスとして展開していく(2012年3月サービス終了)。1999年2月には、インターネット接続サービス「iモード」を開始、利用者に広く受け入れられ、現在の携帯情報サービスの基盤となっている。2001年10月には、W-CDMA方式(Wide Band Code Division Multiple Access。広帯域CDMA方式)である第3世代の携帯通信サービス「FOMA(フォーマ)」を開始し、データ通信速度が飛躍的に向上する。2004年6月には、FOMAパケット定額サービス「パケ・ホーダイ」が開始され、動画のような大容量の情報閲覧を気軽に利用できる環境が整った。

 高速の通信を必要とするテレビ電話や映像配信、「着うた(録音したアーティスト歌声をそのまま携帯電話の着信音にする機能)」などのリッチコンテンツ(映像や音声のような表現力と情報量が大きいデジタル情報)が徐々に広がり、2004年には携帯電話に非接触ICカードを搭載し会員サービスや小額決済を行うことができる「iモードFeliCa(フェリカ)」のサービスを開始した。2006年10月にMNPMobile Number Portability番号ポータビリティ)が開始されると、電話番号を変えることなく携帯事業者の変更が可能になったため、シェア争いが一気に激化し、苦戦を強いられた。また、スマートフォンやデータ通信端末の普及により、データ通信量は急激に増加、それに対応するために2010年12月からは、新たな通信方式LTE(Long Term Evolution)を用いた高速データ通信サービス「Xi(クロッシィ)」を展開している。2013年9月、ドコモは満を持してiPhone 5cおよび5sの取扱いを開始した。これで日本の大手携帯電話会社3社(ドコモ、au、ソフトバンク)どこでもiPhoneを購入できることになり、キャリアのシェア争いの焦点は新たなステージへ向っていくことになった。携帯電話契約数6153万、iモード契約数5097万、資本金9497億円、売上高4兆4701億円(2013年3月。連結ベース)。

[小林千寿]

『経営システム研究会編『NTTドコモ強さの秘密――情報システムによるビジネス大革命』(1998・日刊工業新聞社)』『経営システム研究会編『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(2004・日刊工業新聞社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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