MIDI(読み)ミディ

デジタル大辞泉 「MIDI」の意味・読み・例文・類語

ミディ【MIDI】[musical instrument digital interface]

musical instrument digital interfaceシンセサイザーなどの電子楽器コンピューター間で演奏データをやりとりするインターフェース規格。1991年、異なるメーカーや電子楽器間の音色配列などを統一した共通規格としてGMが策定された。電子楽器デジタルインターフェース

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「MIDI」の意味・わかりやすい解説

MIDI
みでぃ

電子楽器やコンピュータ間でデジタル演奏データを伝送するための世界共通規格。電子楽器や電子機器をつなぐコネクター形状などのインターフェース、通信のためのプロトコル、データ形式などが含まれる。Musical Instrument Digital Interfaceの略称で、「ミディー」とも読む。

 電子楽器の規格はメーカー各社が独自に作成していたが、それを一定のルールで統一することで、別メーカーの機器どうしを接続してもコントロールできるようにする目的でつくられた。1982年(昭和57)にローランドヤマハ、河合楽器製作所、コルグといった日本の電子楽器メーカーが中心になって提唱し、その後、日本のMIDI規格協議会(現、社団法人音楽電子事業協会。略称AMEI:Association of Mucical Electronics Industry)と国際団体のMMA(MIDI Manufacturers Association)によって各規格が制定され、国際的に普及している。

 MIDIが扱う情報には、楽器演奏のための音の高さ、大きさ、長さに加えて、音色や各種効果などが含まれる。DTM(Desk Top Music:パソコン上のソフトウェアでシンセサイザーの音源を制御して音楽を制作、演奏するもの)をはじめとするデジタルによる音楽制作や、電子楽器演奏に欠かせない規格であるが、音そのものではなく、あくまで各種機器を制御して演奏や発音などをさせるための情報を取り扱うものである。

 MIDIの情報を音にする、いわば楽器として機能するのが規格に対応した音源(シンセサイザーなど)であり、MIDIデータファイルが楽譜にあたる。この二つを組み合わせることで、音楽を演奏する。実際の音楽を録音し、デジタルデータ化したオーディオファイルと違って、再生側にMIDI音源があればMIDIファイル自体は小さくてすむ。そのため、通信カラオケや携帯電話の着信メロディなどにも活用されている。

 MIDIの団体商標権を所有し規格の管理を行っているAMEIでは、MIDI規格の普及啓蒙を目的とするMIDI検定試験を毎年行っている。

編集部]

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百科事典マイペディア 「MIDI」の意味・わかりやすい解説

MIDI【ミディ】

musical instrument digital interfaceの略。メーカーや機種の異なるシンセサイザーなどの電子楽器同士,もしくはコンピューターと電子楽器との間で,デジタル信号により音程,音の強弱,音の長さ,音色などの演奏情報をやり取りする国際規格。国内主要シンセサイザーメーカーが中心となり1983年発足。31.25kbps非同期シリアル転送でデータのやり取りを行う。コンピューターによる電子楽器の自動演奏や同時演奏などで利用する。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「MIDI」の解説

MIDI

シンセサイザーや音源ユニットなどの電子楽器を制御するための規格。日本のMIDI規格協議会と、国際団体のMMA(MIDI Manufacturers Association)により策定された。機器を接続するインターフェースや、制御信号、音のデータ化の方法などを定めている。パソコンで利用する場合は、MIDIインターフェースという周辺機器を通して、電子楽器とMIDIケーブルで接続する。MIDIに対応するソフトウェアを使うと、電子楽器を自動演奏したり、電子楽器からデータを受け取って録音したり、音楽データの編集などが行える。

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音楽用語ダス 「MIDI」の解説

MIDI

Musical Instruments Digital Interfaceの略で「ミディ」と読む。デジタルで楽器、機器間の音楽情報をやりとりするための規格である。楽器どうしをつないで一方の楽器を演奏することでもう一方の楽器もコントロールできるほか、コンピュータやシーケンス専用機と楽器等をつないで自動演奏させることができる。情報は「メッセージ」と呼ばれ、発音、音色、テンポなど多様のメッセージをIN,OUT一組のケーブルを使い、独立した16のチャンネルで送受信することができる。

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IT用語がわかる辞典 「MIDI」の解説

ミディ【MIDI】

コンピューターでシンセサイザーなどの電子楽器や音源ユニットを制御するための規格。MIDIによるデータは音声そのものではなく、音色やテンポを定めて電子楽器などを演奏するための楽譜に相当する。◇「musical instrument digital interface」の頭文字から。

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パソコンで困ったときに開く本 「MIDI」の解説

MIDI

パソコンからシンセサイザーなどの電子楽器をコントロールするための規格です。

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

世界大百科事典(旧版)内のMIDIの言及

【入出力装置】より


[人間のための他の入出力装置]
 音の入出力としては,音声のほかに音楽の入出力が重要である。コンピューター音楽を入力するには,通常,音楽用キーボードとMIDI音源装置を使う。また,コンピューターによって合成した音楽を出力するには,通常,MIDI入力をもつ楽器が使われている。…

※「MIDI」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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