MAPOS

ASCII.jpデジタル用語辞典 「MAPOS」の解説

MAPOS

NTT光ネットワークシステム研究所が開発した、光ファイバのための超高速データ通信プロトコル。RFC2171~2176で定義される。光ファイバのためのデータ通信規格であるSONET/SDH(Synchronous Optical Network/Synchronous Didgital Hierarchy)の上に、PPPプロトコルなどで使われるHDLCフレームを載せた軽いプロトコルで、スイッチング(通信するノード同士を直接接続し、他ノードやネットワーク全体に負荷を掛けずにデータを送信する技術)による高速伝送を特徴としている。多数のノードを持つネットワーク上での高速多重アクセス能力は、企業内バックボーンなどに向くが、光ファイバの遠距離伝送能力を活かし、Internetプロバイダー同士の接続点(IXP、Internet Exchange Point)やInternetバックボーンなどの用途も見込まれる。光ファイバを使った伝送プロトコルでは、ATM(Asynchronous Transfer Mode)が普及しているが、すべてのデータを48bytesの単位(セル)に分解して扱うため帯域の利用効率に限界がある。MAPOSでは、最大データ長が64Kbytesのコネクションレス型のHDLCフレームを使うため、利用効率も高く、IPのようなコネクションレス型のプロトコルとの親和性も高い。光ファイバの持つ、数Gbpsの最大伝送速度と、最長で40kmという伝送性能を活かして、WANのバックボーンとしても活用できる。さらに、SONET/SDHという標準の通信規格プロトコルの上で動作するため、既存の光ファイバシステムやそのサービスをそのまま利用できる。MAPOSでは、ノードのコンフィギュレーションを簡易化するために、ノードアドレスの自動設定機能を有している。MAPOSネットワークにノードを接続すると、自動的にコンフィギュレーションが行なわれ、管理者が個別に設定する必要はない。アドレスフィールドが1bytesしかないというHDLCの制約により、MAPOSネットワークのノード数は標準では1セグメントあたり60台程度にまで制約されるが、16ビットの拡張アドレスプロトコルを使うことにより、最大8000台程度まで収容できる。MAPOSシステムは現在のところ、中核となるMAPOSスイッチングモジュールのほか(これを組み合わせてネットワークを構築する)、クライアント用のPCIやSBus(Sun WS用の拡張カードの規格)のインターフェイスカードも開発されている。

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