生物多様性と生態系サービスに関する動向を科学的に評価し、政策提言を行う政府間組織。正式名称「Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学―政策プラットフォーム)」の略称。2008年11月以降、国連環境計画(UNEP)の下で検討され、2012年4月に設立された。2021年3月現在、137か国が参加しており、事務局はドイツのボンに置かれている。気候変動分野の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)を手本にしているため、IPCCの生物多様性版とも称される。
その活動は、科学的評価(生物多様性と生態系サービスに関する地球規模・地域別・テーマ別の科学的評価の実施)、能力養成(科学と政策との連携を改善するための能力養成の候補事業に対する優先順位づけと資金・技術・手法などの支援)、知見生成(政策立案に有用な科学的知見の特定、新たな知見の生成や研究活動の促進)、政策立案支援(政策立案に有用なツールや手法の特定、そのさらなる開発と活用の促進)の四つの機能を柱としている。その成果の一つとして、2019年に「生物多様性・生態系サービスに関する地球規模アセスメント報告書」が公表された。
[磯崎博司 2021年9月17日]
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