GNSS測量(読み)ジーエヌエスエスソクリョウ(英語表記)GNSS surveying

デジタル大辞泉 「GNSS測量」の意味・読み・例文・類語

ジーエヌエスエス‐そくりょう〔‐ソクリヤウ〕【GNSS測量】

GNSS衛星測位システム)による測量従来緯度経度標高などは三角測量もとに計測されていたが、現在では人工衛星を用いた高精度な測量が行われている。
[補説]日本では衛星測位システムとして米国GPSを用いていたため「GPS測量」とよばれたが、平成23年(2011)よりロシアGLONASSなども併用されるようになり、国土地理院が定める作業規定においては「GNSS測量」と呼称するよう変更された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「GNSS測量」の意味・わかりやすい解説

GNSS測量
じーえぬえすえすそくりょう
GNSS surveying

全地球測位システムGlobal Positioning System、略称GPS)などの衛星測位システム(Global Navigation Satellite System、略称GNSS)を用いて、地上の位置関係を求める測量作業。角度距離を測る光学機器(トータルステーション)による測量と比べ、観測点間の見通しが不要で、天候にも左右されないため、効率的に実施できる。当初はGPS測量とよばれたが、21世紀に入ってロシアのグロナスGLONASS(Global Navigation Satellite System)、日本の準天頂衛星、ヨーロッパ連合(EU)のガリレオGalileo等の、アメリカ合衆国以外の衛星が利用できるようになり、まとめてGNSS測量とよばれるようになった。

 通常、4機以上の衛星から送信された電波を、複数の測量用受信機で同時観測し、これらのデータを組み合わせて解析し、観測点間の幾何学的な三次元の位置関係を数センチメートル以下の誤差で得る。測量では、ナビ用の測位信号に加え、その信号を載せた搬送波(波長約19.0センチメートル、24.4センチメートル、25.5センチメートル)の情報も使って衛星までの距離を測ることなどにより、測位精度をメートル級からセンチメートル級に高めている。解析には衛星の軌道情報が必要だが、衛星から送信される放送暦が通常利用される。測量の座標値を得るには基準点での同時観測も必要となるが、国土地理院が全国に設けた電子基準点(常時GNSS観測を行う施設)のデータが利用できる。

[辻 宏道 2016年11月18日]

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