D(読み)でぃー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「D」の意味・わかりやすい解説

D
でぃー

英語アルファベットの第4字。戸を意味する古代エジプトの象形文字を起源とし、セム文字dalethおよびギリシア文字デルタ(Δ)を経由して、ラテン文字において現在の字体となった。小文字dはギリシア文字デルタ(δ)に対応し、ラテン文字の筆記体およびアンシャル体から生まれた。化学では重水素(ジュウテリウム)の元素を表し、物理では密度あるいは直径を、音楽では2音(ドレミ唱法のレ)を表し、D.C.はダ・カーポ(初めから)、D.S.はダル・セーニョ(その記号から)を表す。中世ローマ数字では500を示す。イギリスの貨幣単位ペニーは、ラテン語のdenarius(古代ローマの銀貨で、『新約聖書』にはpennyと記されている)からd.と略される。また、デシの略として、単位名の前について、10分の1であることを表す(dと記す)。英語では、'dは口語でhadまたはwouldの省略形(You'd better=You had betterまたYou'd like to=You would like toなど)であり、フランス語ではd'はdeの省略形で、次に母音で始まる単語がくるときに用いられる。

[斎藤公一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「D」の解説

D
ディー

[別用語参照]DL表示法

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のDの言及

【調性】より

…広義には,音楽に用いられる旋律や和声が,一つの音(主音)を中心としてこれに従属的にかかわっている現象をいい,狭義には,18,19世紀のヨーロッパの芸術音楽の中心的語法であった機能和声的調性を意味する。したがって広義には5音音階その他の特殊な音階による民謡や教会旋法に基づく音楽も中心音性があれば調性をもつこととなるが,この場合狭義の調性と区別して旋法性modalityという。今日一般に調性といった場合,狭義の機能和声的調性を意味する場合が多い。…

【和声】より

…図1はその関係を示しており(ローマ数字は音階の第1音をI度として順にその度数を示したもの),このなかでもI度(主和音),IV度(下属和音),V度(属和音)の三つを,とくに主要3和音という。主和音(トニカ(トニック,T)機能)は,その調の中心和音の機能をもち,これに従属する関係で5度上(4度下)の属和音(ドミナント(D)機能),4度上(5度下)の下属和音(サブドミナント(S)機能)がある(下属和音は5度下の属和音の意味。図2)。…

※「D」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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