CTD(読み)シーティーディー

改訂新版 世界大百科事典 「CTD」の意味・わかりやすい解説

CTD (シーティーディー)

conductivity-temperature-depth recorderの略。観測船から芯線入りのワイヤ下ろし海水の電気伝導度(C)と温度(T)を深度(D)の関数として連続的に現場測定する海洋測器をいう。水中局に受感部とデータ送信部を内蔵し,ワイヤを通じて船上局にデータを送り,電源供給を受ける。電気伝導度は塩分,温度,水圧の関数なので,CTDの測定値から演算によって海水の塩分,温度,密度が決められる。塩分salinityを水中局でアナログ演算するSTDも用いられた。記録部と電源を水中局に収納する内蔵式CTDもある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「CTD」の意味・わかりやすい解説

CTD
シーティーディー
conductivity-temperature-depth meter

海洋内部の電気伝導度・水温圧力を同時に測定する機器。船上からセンサを水中に下ろし,信号はケーブルを通して船上のコンピュータに入力される。電気伝導度は水温・塩分・圧力の関数で,各深度の圧力と水温を知って塩分を推算する。深さ方向に連続的に測定できること,測定精度が良いことから,最近の水温・塩分観測の主力となっている。溶存酸素量のセンサも取り付けられることが多くなったが,前者に比べて精度は悪い。測定値の検定の目的で,採水器 (ロゼットサンプラー) を連結して取り付け,任意の深さで採水する。1万mの深海まで使えるものもある。センサと一緒にデータ収録器も水中に下ろす内蔵式のものもある。

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