C-Nサイクル(読み)シーエヌサイクル(英語表記)C-N cycle

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「C-Nサイクル」の意味・わかりやすい解説

C-Nサイクル
シーエヌサイクル
C-N cycle

炭素 (元素記号C) ,窒素 (N) を触媒として4個の水素原子核を1個のヘリウム原子核に変える循環的な熱核反応。 1939年 H.A.ベーテと C.F.vonワイツゼッカーが提唱し,初めて恒星のエネルギー源を明らかにした。その後,酸素 (O) もこの循環反応に関与することがわかり,C-N-O サイクルとも呼ばれる。炭素 12原子核に水素原子核が次々に3個捕獲され,その間に2度β崩壊をして窒素 15原子核となり,これに水素原子核が捕獲されてヘリウム原子核と炭素原子核とになる。この結果,初め消費された炭素 12原子核が再び生成される。このサイクルは,質量が太陽質量の2倍以上,中心温度が 2000万K以上で,かつ炭素,窒素などを含む主系列星の中心部で起る。水素 1g の反応で約 6000億Jのエネルギーを放出する。

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