3R's(読み)すりーあーるず

世界大百科事典(旧版)内の3R'sの言及

【教育】より

…そして,人権としての教育をすべての者に機会均等に保障するためには,公費による学校制度(公教育)の整備が不可欠であり,かつまた,そこでは思想・信教の自由の原則と抵触しないためには,公教育から宗教教育が除かれ(非宗教教育の原則),科学と実用的知識を中心とする学校となることが求められた。 しかし,現実の庶民の教育機関は,教会によって組織された教会学校での初歩的な読みreading,書きwriting,算reckoning(この三つをスリーアールズ3R’sという)とともに教理問答(カテキズム)を主とする宗教=道徳教育を中心とし,社会への同化と社会秩序維持のための手段として発展し,さらに資本主義の発展に伴い,工場法による児童労働への一定の保護規定と結びついて発展する。しかし,そこでの教育は,個人の可能性を引き出すeducereという意味での教育educationというよりは,既成の価値観を注入するという意味での教化=インドクトリネーションindoctrinationに近かった。…

【読み書きそろばん(読み書き算盤)】より

…読み書き算ともいうが,日本では幕末から明治にかけ,計算は主としてそろばんで行ったので,これを〈読み書きそろばん〉といってきた。英語では,これに〈スリーアールズ〉(読み・書き・算を表すreading,writing,arithmeticの3語にRがあるので,3R’sという)の語をあてる。また読み書き能力を表す〈リテラシーliteracy〉の語の定着は1880年代以降であり,このことはその時期から読み書きが万人に必要な基礎能力とみられるようになったことを示している。…

※「3R's」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」