龍田川・立田川(読み)たつたがわ

精選版 日本国語大辞典 「龍田川・立田川」の意味・読み・例文・類語

たつた‐がわ ‥がは【龍田川・立田川】

[1]
[一] 奈良県北西部、生駒山地の東側を南流し、斑鳩(いかるが)町で大和川に合流する川。上流を生駒川、中流平群(へぐり)川ともいう。紅葉の名所。
古今(905‐914)秋下・二八三「龍田河紅葉乱れてながるめりわたらば錦中やたえなむ〈よみ人しらず〉」
[二] 奈良県北西部、大和川の龍田川との合流点から下流、大和国(奈良県)と河内国(大阪府)との境にかけての古称。歌枕。
[2]
① ((一)(一)挙例の「古今‐秋下」の歌から) 模様の名。流水に紅葉(もみじ)の葉を散らしたもの。
※浮世草子・好色一代男(1682)一「西の方の中程、ちいさき釣隔子(つりがうし)唐紙竜田川(タツタカハ)も、紅葉ちりぢりにやぶれて」
② (「古今‐秋下」の「ちはやぶる神世もきかずたつたがはから紅に水くくるとは〈在原業平〉」から) 紅い血が川のように流れること。
※雑俳・あづまからげ(1755)「咎あれば畳の上も龍田川」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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