鼻笛(読み)ハナブエ

デジタル大辞泉 「鼻笛」の意味・読み・例文・類語

はな‐ぶえ【鼻笛】

鼻で息を吹き込んで鳴らす笛。フィリピンのトガリなど。
口を閉じて鼻から声を出すこと。→鼻笛を吹く
呼ぶ子の笛。
「腰より―取り出だし、吹かんとするを」〈浄・栬狩剣本地

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精選版 日本国語大辞典 「鼻笛」の意味・読み・例文・類語

はな‐ぶえ【鼻笛】

〘名〙
① 鼻の息の通る所。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② 鼻からくぐもった声を発すること。口を閉じ、声を鼻に抜いて歌ったりすること。
※俳諧・三千風笈さがし(1701)下「涓々たる水音に尻皷をしらべ素々たる松声に鼻笛をあはせ」
③ 呼ぶ子の笛。
浄瑠璃・栬狩剣本地(1714)二「腰より鼻笛(ハナブヱ)取出し、吹かんとするを引ったくり、ヤア扨は相図の笛か」
④ 鼻で笛を吹くこと。また、そのわざをして銭を乞い歩く乞食。〔俚言集覧増補)(1899)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鼻笛」の意味・わかりやすい解説

鼻笛
はなぶえ
nose flute

縦笛横笛,あるいは容器状の笛を,鼻息によって鳴らすもの。ユーラシアアフリカ,アメリカ,オーストラリアなど各大陸に広く流布しているが,特にメラネシアポリネシア諸島に多い。鼻笛のなかには口と鼻のどちらでも自由に吹き分けのできるものがある。鼻笛は,演奏を楽しむばかりでなく,成年式や豚祭などの儀礼の機会に,他界からの音,祖霊の声などの効果音として用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内の鼻笛の言及

【ノーズ・フルート】より

…歌口に鼻孔を押しつけ,鼻息で吹き鳴らすフルートの総称。鼻笛ともいう。縦笛や横笛のほかに,ひょうたんを用いた球型笛など多種の形式のものがある。…

※「鼻笛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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