(読み)イタチ

デジタル大辞泉 「鼬」の意味・読み・例文・類語

いたち【×鼬/鼬鼠】

食肉目イタチ科の哺乳類体長は雄が約30~45センチ、雌が約20センチ。体毛は赤茶色で、体は細長く、脚が短く、尾は太く長い。主に夜行性で、ネズミ・鶏などを捕食。敵に追いつめられると悪臭を放って逃げる。日本・朝鮮半島・中国・シベリア分布。毛皮は良質 冬》
[補説]作品名別項。→
[類語]おこじょフェレットてんミンク穴熊スカンク

いたち【鼬】[戯曲]

真船豊戯曲。昭和9年(1934)、雑誌劇文学」に発表。同年9月、久保田万太郎演出により、劇団築地座から分裂した劇団創作座が初演

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改訂新版 世界大百科事典 「鼬」の意味・わかりやすい解説

鼬 (いたち)

真船豊の戯曲。1934年(昭和9)6月《劇文学》創刊号に発表。同年9月創作座により飛行館で初演。東北の一農村の没落した旧家だるま屋が舞台。当主万三郎が南洋出稼ぎに行った留守中,老母おかじは殺人罪亭主持ちの娘おしまと日夜いがみあう。抵当に入った家屋敷の処分が始まろうとするところへ,不品行から家出をし,織物工場主となったおかじの妹おとりが帰郷して,借金を立て替える。帰国した万三郎は,だるま屋を手に入れようとする叔母魂胆に気づかず南洋へ去るが,真相を知ったおかじはおとりをののしって憤死する。物欲につかれた骨肉の醜い争いを会津方言によって描き,赤裸の“人間”の骨太な造型に成功して出世作となった。《山参道》(1941)はその後日譚。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鼬」の意味・わかりやすい解説


いたち

真船豊(まふねゆたか)の戯曲。3幕。1934年(昭和9)6月『劇文学』に発表、同年9月久保田万太郎演出により創作座が初演。東北地方の旧街道沿いの一寒村が舞台。跡取りの万三郎が南洋に出稼ぎに行って3年目、没落寸前の旧家だるま屋を守る老母おかじのところへ、家出して小金をため込んだ妹おとりが現れ、やがて帰国した万三郎をだましてだるま屋を乗っ取る。瀕死(ひんし)のおかじはおとりに向かい、「……くそっ、し、死んでも、うう、うぬが世話になっかア……」と絶叫する。肉親同士の織り成す人間の欲望の根源的な姿を、会津方言を基盤にした力動感あふれる独自の台詞(せりふ)運びに定着した作者の出世作である。アイルランド文学の影響が濃い。

[大島 勉]

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鼬」の解説

鼬 (イタチ)

学名:Mustela sibirica
動物。イタチ科の哺乳動物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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