精選版 日本国語大辞典 「黴」の意味・読み・例文・類語
かび【黴】
[1] 〘名〙
① 真菌類のうち、菌糸がからみ合った不定形の集合体をなすものの総称。植物分類学上の単位ではなく、形態上の性質に対する通称。藻菌類、子嚢菌類の多く、および担子菌類の一部が含まれる。《季・夏》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
※怪談牡丹燈籠(1884)〈三遊亭円朝〉二「菓子抔(など)は〈略〉皆
(カビ)を生(はや)かして捨る位のものですから」

② いつかは朽ちはてて、むなしくなってしまうもののたとえ。無価値なもの。
か・びる【黴】
〘自バ上一〙 か・ぶ 〘自バ上二〙 黴が生える。また、比喩的に、ものごとが古ぼけることなどにもいう。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)四「我等が様な浪人の黴(カビ)た襟にはつかれまい」
か・ぶ【黴】
〘自バ上二〙 ⇒かびる(黴)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報