(読み)めさく

精選版 日本国語大辞典 「黥」の意味・読み・例文・類語

め‐さ・く【黥】

〘自カ四〙 目のあたりに入れ墨を施す。刑罰しるしとしても行なった。めさききざむ。まさく。
書紀(720)履中元年四月(図書寮本訓)「死(ころすつみ)を免(ゆる)して墨(ひたひきさむつみ)を科(おほ)せて即の日黥(メサキきた)む」

げい【黥】

〘名〙 いれずみをすること。特に、古く、刑罰として顔面などにいれずみを行なうこと。また、その刑。黥罪
李陵(1943)〈中島敦〉二「中国で昔から行はれた肉刑の主なるものとして、黥、劓(ぎ)(はなきる)、剕(ひ)(あしきる)、宮の四つがある」 〔書経呂刑

げい‐・す【黥】

〘他サ変〙 いれずみをする。ひたいにいれずみをする刑罰に処する。黥刑(げいけい)に処する。
制度通(1724)一三「諸の髠すべきものを完して城旦舂とし黥すべきものを髠鉗して城旦舂とし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「黥」の意味・読み・例文・類語

げい【×黥】

いれずみ。また、昔、中国で、刑罰として、顔などにいれずみをすること。墨刑ぼっけい
[類語]入れ墨彫り物刺青タトゥーくりからもんもん文身ぶんしん入れ黒子ぼくろ黥首げいしゅ黥面げいめん筋彫り箚青さっせい墨刑ギミックアクセサリー刻む彫る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【入墨∥刺青】より

…皮膚に鋭利な道具で傷をつけ,そこに色料をすり込むかまたは注入することにより文様を浮かび上がらせるもの。文身(ぶんしん),刺青(しせい),黥(げい)などともいわれる。身体装飾のうちの身体彩色の一技法としては,文様がほぼ永久的に維持される点を特徴とする。…

【刑罰】より

刑具裁判【平松 義郎】
[中国]
 《尚書》などの古典にみえる五刑の記録は,中国春秋時代以前の刑罰の状態をある程度伝えるものと考えられる。五刑とは黥(げい)(また墨(ぼく),顔面への入墨),劓(ぎ)(はなきり),刖(げつ)(また剕(ひ),あしきり),宮(きゆう)(男子は去勢,女子は幽閉),大辟(たいへき)(死刑)であり,生命刑と肉刑と称された身体刑(終身の強制労働をともなう)より成る。死刑の種類は,炮烙(ほうらく),焚(ふん)などの火刑をはじめ,烹(ほう)(かまゆで),車裂(また轘(かん)),支解(しかい)(四肢を断つ),腰斬(ようざん),磔(たく)(はりつけ),梟首(きようしゆ)(さらし首)など過酷なものも多い。…

※「黥」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android