精選版 日本国語大辞典 「黙」の意味・読み・例文・類語
だんまり【黙】
〘名〙 (「だまり(黙)」の変化した語)
① (形動) だまっていること。無言。また、そのような人やさま。無口。
② (形動) 一応のことわりもしないこと。無断。また、そのさま。または、隠して言わないこと。
※洒落本・青楼五雁金(1788)一「ゆふきよりしまちりめんにしてしょじだんまりのかくしうらはがくむくがいい」
※人情本・恩愛二葉草(1834)三「謝礼として一包の金を密に動介へ贈りける。〈略〉主人成清にも無言(ダンマ)りにて是れを着腹なし」
もだ【黙】
〘名〙
① 黙っていること。一言もしゃべらないこと。
※書紀(720)雄略即位前(前田本訓)「皇子其の害らむとすることを見て黙(モタ)坐しまして語(ものものたま)はず」
② 何もしないこと。手をつかねてじっとしていること。
だま・る【黙】
〘自ラ五(四)〙
① ものを言うことをやめる。沈黙する。音がしなくなる。
だまり【黙】
① だまること。話をしないこと。沈黙。〔羅葡日辞書(1595)〕
② =だんまり(黙)③
※和英語林集成(初版)(1867)「Damari(ダマリ) ノ マク」
もく‐・する【黙】
〘自サ変〙 もく・す 〘自サ変〙 ものを言うことをやめる。だまる。もだす。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)三「ひさしくこの要を黙(モク)(〈注〉モノイワス)して、いそぎて、すみやかにときたまはず」
だまりん【黙】
〘名〙 (形動) 黙っていること。また、そのさまやその人。だんまり。
※洒落本・大劇場世界の幕なし(1782)「此内しぢうだまりんで、忠兵衛としたいてにらみくらをしている」
もく【黙】
〘名〙 だまっていること。口をきかないで静かにしていること。
※正法眼蔵(1231‐53)三十七品菩提分法「いはんや黙の黙を学すべしとだにもしらず」 〔礼記‐中庸〕
もだし【黙】
〘名〙 (動詞「もだす(黙)」の連用形の名詞化) 黙っていること。沈黙。〔文明本節用集(室町中)〕
もく‐・す【黙】
〘自サ変〙 ⇒もくする(黙)
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