黙示(読み)もくし

精選版 日本国語大辞典 「黙示」の意味・読み・例文・類語

もく‐し【黙示】

〘名〙 (「もくじ」とも)
暗黙うち意志を表示すること。はっきり言わないで、間接的に意志を示すこと。〔和漢大辞典(1919)〕
② 隠された真理を開示すること。特に、ユダヤ教キリスト教で、人がその才能や知識では測り知ることのできないことを、神が特別の方法により、人に示すこと。
※引照新約全書(1880)約翰黙示録・一「此イエスキリストの黙示(モクシ)すなはち神彼をして迅速に起るべき事を彼の僕(しもべ)等に示さしめんとて」
落梅集(1901)〈島崎藤村〉寂寥「黙示をかたる言葉(ことのは)は高きらっぱの天の声」
③ (②を比喩的に用いて) 直観的にある原理や考え方、方法などを知ること。
野分(1907)〈夏目漱石一一理想の黙示を受けて行くべき道を行くのも其通りである」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「黙示」の意味・読み・例文・類語

もく‐し【黙示】

[名](スル)《「もくじ」とも》
暗黙のうちに意思や考えを表すこと。「黙示意思表示
隠された真理を示すこと。特に、キリスト教で、神が人意を越えた真理や神意などを示すこと。啓示
[補説]書名別項。→黙示
[類語]暗示示唆ヒントサジェスチョン

もくし【黙示】[書名]

日本の文芸同人誌。辻亮一八木義徳らが、早稲田大学在学中の昭和9年(1934)に創刊。同人には他に多田裕計中村八朗など。

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