黒部(市)(読み)くろべ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「黒部(市)」の意味・わかりやすい解説

黒部(市)
くろべ

富山県北東部にある市。黒部川下流域を占める。1954年(昭和29)桜井、生地(いくじ)の2町が合併して市制施行。2006年(平成18)下新川(しもにいかわ)郡宇奈月町(うなづきまち)を合併。あいの風とやま鉄道(旧、JR北陸本線)、富山地方鉄道本線、黒部峡谷鉄道、国道8号が通じる。2015年には北陸新幹線が開通し、黒部宇奈月駅が新設された。また、北陸自動車道の黒部インターチェンジがある。江戸時代は加賀藩領で、中心地区三日市(みっかいち)は、愛本(あいもと)橋を経て泊(とまり)(朝日町)に至る上街道と、沓掛(くつかけ)から黒部川を渡り入善(にゅうぜん)を経て泊に至る下街道の分岐点の市場町であった。黒部川扇状地の平野部の大布施(おおふせ)を中心に多角的農業経営が行われ、平野部の西側の十二貫野(じゅうにかんの)は、江戸後期に椎名(しいな)道三が黒部峡谷から引水した十二貫野用水を完成したために水田化された。ファスナー生産で世界的シェアを占めるYKKの広大な工場がある。生地は古くからの漁業集落で、漁港があるが、漁業従事者が大幅に減少、またその高齢化が著しい。石田は富山地方鉄道が通じ、富山湾東部の海水浴場である。面積426.31平方キロメートル(一部境界未定)、人口3万9638(2020)。

[深井三郎]

『『黒部市史稿1~4』(1962・黒部市)』『『黒部市誌』(1964・黒部市)』『『黒部市史』自然編(1988・黒部市)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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