精選版 日本国語大辞典 「黒柿」の意味・読み・例文・類語
くろ‐がき【黒柿】
〘名〙
① 柿の木の心材が暗紫色のものをいう。毛柿に多く、俗に黒檀(こくたん)と称して建築や工芸材として珍重する。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※今昔(1120頃か)二六「黒柿の机の清気なる二つを立たり」
② 植物「けがき(毛柿)」の異名。
③ 植物「ときわがき(常磐柿)」の異名。
④ 植物「まめがき(豆柿)」の異名。
⑤ 染色の名。黒柿の材のような黒色の縞をいう。
※万金産業袋(1732)四「染やうの古風は、木瓜、または左まきに、上もんに桐菊などを染め、裾と髪のあたる所を黒(クロ)がきにして用ひ来る」
⑥ 紅がかった納戸色。紅納戸。紅消し鼠。
※手鑑模様節用(1789か)上「紅けし鼠、古名くろがき、また紅なんどともいふ」
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