精選版 日本国語大辞典 「黒文字」の意味・読み・例文・類語
くろ‐もじ【黒文字】
〘名〙
① クスノキ科の落葉低木。北海道渡島半島、本州、四国、九州の山地に生える。幹は高さ二~三メートルになり、樹皮には黒色の斑紋がある。葉は柄をもち互生し、長さ五~九センチメートルの狭長楕円形で先がとがる。雌雄異株。春、葉に先だって小さな淡黄色の五弁花を密集してつける。一〇月ごろ、径約六ミリメートルの球形の果実が熟して黒色となる。葉から黒文字油を採り香料とし、材には芳香があるので楊枝(ようじ)を作る。漢名に釣樟を当てるのは誤用。くろとりぎ。とりぎ。とりこしば。とりしば。くろもんじ。
※俳諧・雀子集(1662)四「赤けれど名はくろもしのいろは哉〈月潭〉」 〔大和本草(1709)〕
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)二「けづる楊枝(よじ)さへ細元手、しんく黒もじ身すぎ楊枝」
③ 黒々と書かれた文字。
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