黄蜀葵(読み)とろろあおい

精選版 日本国語大辞典 「黄蜀葵」の意味・読み・例文・類語

とろろ‐あおい ‥あふひ【黄蜀葵】

〘名〙 アオイ科一年草。東アジア原産。日本では製紙用の糊にするために栽培され、また観賞用にも植える。高さ一~二メートル。葉には長柄があり、互生。葉身は掌状に深く五~七裂し裂片は綿状長楕円形で縁に粗い鋸歯(きょし)がある。夏、径一〇~二〇センチメートルの黄色い花が横向きに咲く。花弁は五、螺旋状に重なり、基部は暗紫色雄しべは多数集まって筒状をなす。果実は長さ約五センチメートル、長楕円形で硬い毛を密生する。根を腸カタル鎮咳(ちんがい)の薬として使う。漢名、黄蜀葵。《季・夏》 〔物品識名(1809)〕

とろろ【黄蜀葵】

〘名〙 トロロアオイの根をすりつぶした粘りのある汁。紙を漉(す)くのに糊として用いる。また、トロロアオイの別名。〔多識編(1631)〕

おう‐しょっき ワウショクキ【黄蜀葵】

〘名〙 植物とろろあおい(黄蜀葵)」の古名。《季・夏》 〔薬品手引草(1778)〕

こう‐しょっき クヮウショクキ【黄蜀葵】

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デジタル大辞泉 「黄蜀葵」の意味・読み・例文・類語

とろろ‐あおい〔‐あふひ〕【黄葵】

アオイ科の一年草。高さ1~1.5メートル。葉は互生し、手のひら状に深く裂けている。夏から秋、淡黄色の大きな5弁花を横向きにつけ、茎の下のほうから上へ順に開き、1日でしぼむ。中国の原産で、観賞用。根は漢方鎮咳ちんがい薬・健胃薬とする。黄蜀葵おうしょっき 夏》「歩きゐて日暮るる―かな/澄雄」

とろろ【黄葵】

トロロアオイの別名。また、その根をすりつぶした粘りのある汁。和紙くときののりに用いる。

おう‐しょっき〔ワウシヨクキ〕【黄××葵】

トロロアオイの漢名。 夏》

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動植物名よみかた辞典 普及版 「黄蜀葵」の解説

黄蜀葵 (トロロアオイ・オウショッキ;オウスケ)

学名Abelmoschus manihot
植物。アオイ科の一年草,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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