麻生(読み)あそう

精選版 日本国語大辞典 「麻生」の意味・読み・例文・類語

あそう あさふ【麻生】

狂言。各流。在京中の信濃国麻生の某の召使い下六は、宿所がわからなくなり、迎えに来た藤六といっしょに囃子物(はやしもの)で捜しあてる。烏帽子折(えぼしおり)

あそう あさふ【麻生】

茨城県東南部、行方(なめがた)郡の地名。「常陸国風土記」によれば沢に多くの麻が生えていたとある。霞ケ浦東岸にある。古くから常陸国府へ通じる要地として開けた。

あさお あさふ【麻生】

神奈川県川崎市の行政区一つ。昭和五七年(一九八二多摩区から分離成立。市北西部、鶴見川支流の麻生川の流域にある。かつては柿の名産地として知られた。

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デジタル大辞泉 「麻生」の意味・読み・例文・類語

あそう【麻生】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「麻生」姓の人物
麻生太郎あそうたろう
麻生久あそうひさし
麻生豊あそうゆたか

お‐う〔をふ〕【生】

麻の生えている土地。
桜麻さくらをの―の下草露しあれば」〈・二六八七〉

お‐ふ〔を‐〕【生】

麻の生えている所。
「桜麻の―の下草露しあれば明かしてい行け母は知るとも」〈・二六八七〉

あそう〔あさふ〕【麻生】

狂言。麻生の某の召使い下六(源六)が、主人の宿がわからなくなり、迎えに来た藤六と囃子物はやしもので探し当てる。

あさお【麻生】

神奈川県川崎市北西部の区名。丘陵地にある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「麻生」の意味・わかりやすい解説

麻生
あそう

茨城県南東部、行方郡(なめがたぐん)にあった旧町名(麻生町(まち))。現在は行方市の南部を占める地域。旧麻生町は、1889年(明治22)町制施行。町名の由来は『常陸国風土記(ひたちのくにふどき)』に大きなアサが生えていたとあることによる。1955年(昭和30)太田、大和(やまと)、小高(おだか)、行方の4村と合併。2005年(平成17)北浦(きたうら)、玉造(たまつくり)2町と合併して市制施行、行方市となった。霞ヶ浦(かすみがうら)と北浦の湖岸低地と、行方台地が広く、面積の28%は山林原野。霞ヶ浦の湖岸に国道355号が走り、北浦には北浦大橋(1995年開通)が架かり対岸の鹿嶋(かしま)市域と結ばれる。古くは『和名抄(わみょうしょう)』の麻生郷(ごう)にあたり、16世紀まで麻生氏、江戸時代は麻生藩新庄(しんじょう)氏の城下町。現在は霞ヶ浦漁業の中心地で、ワカサギ、エビ、ハゼなど霞ヶ浦佃煮(つくだに)は、1873年(明治6)江戸・佃島で習ってきた奥村謙蔵がおこしたといわれ、いまも佃煮工場がある。農業は米中心からトマト、ミツバイチゴなどの園芸農業や養豚などとの複合農業に変わってきた。霞ヶ浦湖畔の天王崎(てんのうざき)は景勝地で知られる。

[櫻井明俊]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「麻生」の意味・わかりやすい解説

麻生
あそう

茨城県南東部,行方市南部の旧町域。霞ヶ浦 (西浦) と北浦の間に位置する。 1889年町制。 1955年太田村,大和村,小高村,行方村の4村と合体。 2005年北浦町,玉造町と合体して行方市となった。近世,麻生藩新庄氏の陣屋が置かれ,地方の中核として繁栄。霞ヶ浦,北浦で産するワカサギ,シラウオの煮干し,佃煮が出荷される。湖岸の天王崎は景勝地で,国民宿舎がある。水郷筑波国定公園に属する。

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日本の企業がわかる事典2014-2015 「麻生」の解説

麻生

正式社名「株式会社麻生」。英文社名「ASO CORPORATION」。サービス業。明治5年(1872)創業。昭和41年(1966)設立。本社は福岡県飯塚市芳雄町。石炭採掘で発祥。飯塚病院の経営のほか廃棄物処理事業・建設コンサルティング事業を行う。ほかに不動産事業など。

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改訂新版 世界大百科事典 「麻生」の意味・わかりやすい解説

麻生 (あそう)

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