鹿島の事触れ(読み)かしまのことぶれ

精選版 日本国語大辞典 「鹿島の事触れ」の意味・読み・例文・類語

かしま【鹿島】 の 事触(ことぶ)

① 昔、常陸国鹿島神宮神官が、神のお告げと称して、正月の三が日、その年の吉凶諸国に触れ歩いたこと。また、その人。のちには、それに似せた一種物乞いが現われた。《季・新年》
浄瑠璃・凱陣八島(1685頃)一「かたをかはかしまのことぶれ。べんけいは山ぶし」
② (①が銅拍子を鳴らしながら歩くところから。また、「鹿島」と「かしましい」とのしゃれから) おしゃべりな人。口数の多い人。
浮世草子・庭訓染匂車(1716)一「ちょっとかしまの事ぶれ、辻談義の葬や嫁入の戻りあし
※続々鳩翁道話(1838)三「亭主のわる口(ぐち)を近所合壁へいひまはる鹿島(カシマ)のことぶれ、山の神の御託宣にはこまり入ったものでござります」

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デジタル大辞泉 「鹿島の事触れ」の意味・読み・例文・類語

かしま‐の‐ことぶれ【鹿島の事触れ】

昔、春ごとに鹿島神宮の神官が鹿島明神の御神託と称し、その年の吉凶・天変地異などを全国に触れ歩いたこと。また、その人。ことぶれ。 新年》

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