鹿威(読み)ししおどし

精選版 日本国語大辞典 「鹿威」の意味・読み・例文・類語

しし‐おどし【鹿威】

〘名〙
田畑を荒らしにくる鳥や獣を追いはらうための装置。かかし、添水(そうず)鳴子、威し銃などがある。しかおどし。ししかえし。《季・秋》
俳諧・増山の井(1663)八月「なるこ〈略〉そうづは添水と云。水辺にしかけて、水の力を添て音を出す鹿おどし也」
庭園施設の一つ。節止めにした太めの竹筒を中ほどでささえて回転するようにし、水を受ける部分を斜めに切ったもの。水がたまると、重心が前にきて竹筒が傾き、中の水が吐かれて勢いよくもどった時に、竹筒の尻が後ろの石の頭に当たってこころよい音を発する。本来は庭にしのびこむ鹿やいのししを追い出すためのものであったが、現在ではもっぱら風流のためのものとなる。添水(そうず)。しかおどし。

しか‐おどし【鹿威】

〘名〙
浮世草子好色一代男(1682)四「あらけなき男四五人、竹のとがり鑓・鹿(シカ)おどしの弓・山拐(やまおうこ)ふり上て」

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とっさの日本語便利帳 「鹿威」の解説

鹿威

田畑を荒らす鳥や獣を追い払う仕掛けの総称であったが、現在では和風の庭園に設(しつら)えられた添水(そうず)が有名。添水とは、節止めに切った竹筒に軸を付け、流水を受けてその重みで竹筒を反転させる仕組み。水を落とし逆反転した竹筒の尻の当たるところに石を配し、コーンという快い音を演出している。

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