鸞鏡(読み)らんけい

精選版 日本国語大辞典 「鸞鏡」の意味・読み・例文・類語

らん‐けい【鸞鏡】

〘名〙 (「けい」は「鏡」の漢音)
中国想像上の美しい鳥である鸞鳥の形を背面に刻んだ鏡。また、一般に、鏡。らんきょう。
※玉造小町子壮衰書(10C後)「朝向鸞鏡蛾眉而好容貌、暮取鳳釵蝉翼而理艷色
※高野本平家(13C前)三「九品の台、目の前にかかやき、光耀鸞鏡(ランケイ)をみがいて」 〔駱賓王‐代女道士王霊妃贈道士李栄詩〕
② 日本の十二律の一つ。基音壱越(いちこつ)から数えて九番目の音。中国の十二律の夷則に当たる。嬰イに相当。らんきょう。
※習道書(1430)「為手のとうりゃうと、わらんへと、論議を歌ふ時、そのときのてうしらんけい也」

らん‐きょう ‥キャウ【鸞鏡】

〘名〙
仮名草子・あだ物語(1640)上「この鸞、鏡を見て鳴き舞ふ事妙なり。是によって鏡を鸞鏡(ランキャウ)といへり」

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デジタル大辞泉 「鸞鏡」の意味・読み・例文・類語

らん‐けい【×鏡】

らんきょう(鸞鏡)
日本音楽十二律の一。基音の壱越いちこつより八律高い音で、中国の十二律の夷則いそく洋楽の嬰イ音にあたる。

らん‐きょう〔‐キヤウ〕【×鸞鏡】

中国の想像上の鳥、鸞鳥らんちょうの形を背面に刻んだ鏡。らんけい。

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普及版 字通 「鸞鏡」の読み・字形・画数・意味

【鸞鏡】らんきよう

鸞鳳文様を飾った鏡。

字通「鸞」の項目を見る

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