鶯笛
うぐいすぶえ
短い青竹の管でつくった笛で、管の上に同じ青竹でつくった小さなウグイスをつけたものもある。指で管の両端を押さえ、その指の頭で風口の開き加減を調節しながら吹いて、ウグイスの鳴き声に似た音色を出す。古くからあった笛で、最初はウグイスの鳴き合わせの訓練用に用いられたが、のち、その形や音色の愛らしさから、子供用の玩具(がんぐ)として愛用されるようになり、梅の花の盛り時分には諸所の梅林で売られるようになった。俳諧(はいかい)では春の季語で、『犬子(えのこ)集』(1633刊)に「けふははや鶯笛もねの日かな」とある。
[宇田敏彦]
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うぐいす‐ぶえ うぐひす‥【鶯笛】
〘名〙 鶯の鳴き声に似た音を出す、竹などで作った笛。はじめは鶯のつけ声(声ならし)に用いたが、後には小児のおもちゃとなった。初音の笛。《季・春》
※俳諧・犬子集(1633)一「けふははや鶯笛もねのひ哉〈
正直〉」
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デジタル大辞泉
「鶯笛」の意味・読み・例文・類語
うぐいす‐ぶえ〔うぐひす‐〕【×鶯笛】
鶯の鳴き声に似た音を出す玩具の笛。主に竹製。初音の笛。《季 春》
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