鶏足寺跡(読み)けいそくじあと

日本歴史地名大系 「鶏足寺跡」の解説

鶏足寺跡
けいそくじあと

[現在地名]高千穂町下野

八幡大神社の隣接地にあり、八幡山無量院と号し、天台宗であった。明治四年(一八七一)廃寺となる。文久三年(一八六三)の「高千穂庄神跡明細記」には下野しもの村八幡宮の項に「やはたと云所、別当ハ八幡山鶏足寺と号して、盲僧の頭なり。代々福泉と云名とす。始祖より今の福泉迄七十四代也といへり」とある。宝治二年(一二四八)勅命によって比叡山延暦寺鶏足院から使僧普安歓心が下向し翌年建立したという。

鶏足寺跡
けいそくじあと

[現在地名]姫路市石倉

峰相みねあい山山上にあり、峯相山と号した古代寺院跡。貞和四年(一三四八)に鶏足寺を訪れた旅僧が、当寺の老僧と問答する形式で記した播磨の見聞録である「峯相記」によれば、当時山寺は荒廃し、わずかに二つの堂と一社、僧坊六―七坊があったという。同書によれば、神功皇后が新羅を攻めた際人質になった新羅国皇子が建立。神護景雲年中(七六七―七七〇)には金堂講堂・法華堂・常行堂などの大伽藍、別院の大市観音寺・根本寺などがあったが、貞観(八五九―八七七)頃には衰退してきた。空也が来山して延長二年(九二四)法華経を施入し、性空も永延年中(九八七―九八九)に法華経を施入したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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