鴨下寛(読み)かもしたゆたか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鴨下寛」の意味・わかりやすい解説

鴨下寛
かもしたゆたか
(1897―1982)

土壌学者。明治期にドイツ人フェスカに学んだ土壌学者松次郎の子として東京に生まれる。1922年(大正11)東京帝国大学農芸化学科を卒業して農林省に入り、各地土壌調査に従事した。1936年(昭和11)の津軽平野水田土壌の調査は、日本で最初の地下水土壌の形態学的研究として画期的な業績である。1943年の岐阜県、1944年の青森県などの調査から、全国水田土壌の基本型5種を確認したことも高く評価されている。1947年「水田地帯に分布する土壌型の調査研究」で農学博士学位を得た。1950年から1961年にかけて農林省農業技術研究所化学部長を務め、土地生産力の調査研究を指導した。1961年の退官後は玉川大学農学部教授に就任、また、経済安定本部資源調査会や国土総合開発審議会などの専門委員を長く務めた。

石山 洋]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「鴨下寛」の解説

鴨下寛 かもした-ゆたか

1897-1982 昭和時代の土壌学者。
明治30年2月14日生まれ。農林省にはいり,昭和25年農業技術研究所化学部長。のち玉川大教授。各地の土壌を調査し,全国の水田土壌が基本型5種になることを説いた。昭和57年12月14日死去。85歳。東京出身。東京帝大卒。

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