鳳来寺山(読み)ホウライジサン

デジタル大辞泉 「鳳来寺山」の意味・読み・例文・類語

ほうらいじ‐さん【鳳来寺山】

愛知県新城しんしろ市にある山。標高695メートル。鳳来寺がある。コノハズク仏法僧)の生息地。

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日本歴史地名大系 「鳳来寺山」の解説

鳳来寺山
ほうらいじさん

標高六八四・二メートル。南・北設楽両郡にわたって分布する旧火山群の最南端にあり、一般に知られているのはおもて(南面)である。裏山を合わせると、その面積は一千四九六ヘクタールで、東は国鉄飯田線三河槙原みかわまきはら駅の近く、大津谷おおつや川・槙原川の流域に及ぶ。

鳳来寺山表参道石段は、杉・檜の巨木の間を縫って一千四二五段続く。参道の両側には、楼門松高しようこう院、二一の坊跡があり、隆盛だった往時を語る。

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改訂新版 世界大百科事典 「鳳来寺山」の意味・わかりやすい解説

鳳来寺山 (ほうらいじさん)

愛知県東部,新城市の旧鳳来町にある火山。標高695m。全山が国の名勝および天然記念物に指定され,南斜面に鳳来寺がある。ソーダ流紋岩質の厚い火山噴出物からなり,ピッチストーン黒曜石を産する。風化浸食作用を強く受けて急峻な山容をなし,もとの火山体の外形や構造はあまり残されていない。山頂付近のツガ,ヒノキ,杉やシダ類地衣類などの植物,コノハズク(ブッポウソウ)などの鳥類の宝庫でもある。天竜奥三河国定公園一角をなし,東海自然歩道が通り,旧鳳来町豊岡の湯谷(ゆや)温泉から鳳来寺山頂まで鳳来寺山パークウェー(1971年完成。2005年無料開放)が通じる。
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百科事典マイペディア 「鳳来寺山」の意味・わかりやすい解説

鳳来寺山【ほうらいじさん】

愛知県新城市にある火山(名勝・天然記念物)。標高695m。流紋岩,安山岩からなるが,浸食のため火山体の原形はとどめない。中腹鳳来寺があり,スギカシなどの老樹でおおわれる。小鳥の種類が多く,特に仏法僧(コノハズク)は有名。モリアオガエルの生息地。
→関連項目愛知[県]新城[市]天竜奥三河国定公園鳳来[町]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳳来寺山」の意味・わかりやすい解説

鳳来寺山
ほうらいじさん

愛知県新城市(しんしろし)にある山。標高695メートル。基底岩は花崗(かこう)岩類、その上に第三紀の火山活動で噴出した流紋岩、松脂(まつやに)岩、安山岩などの火山岩からなる山塊である。山頂付近は原生林、シダ類、蘚苔(せんたい)類の群落があり、ブッポウソウ(コノハズク)、モリアオガエル、ヒメハルゼミなどが生息している。中腹にある鳳来寺は利修(りしゅう)仙人の創建といわれ、江戸時代は寺領1350石を与えられた。数度の火災でわずかに残る山門と、山内にある東照宮の本殿など6棟は国の重要文化財に指定されている。門前集落は門谷(かどや)で、収集展示に特色のある鳳来寺山自然科学博物館がある。国の名勝・天然記念物に指定され、天竜奥三河(みかわ)国定公園の観光拠点である。

[伊藤郷平]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鳳来寺山」の意味・わかりやすい解説

鳳来寺山
ほうらいじさん

愛知県東部,美濃三河高原南部にある山。標高 694m。新第三紀中新世に噴出した火山岩の流紋岩石英安山岩などからなる。山頂付近の鳳来寺境内に東照宮がある。1971年鳳来寺山パークウェイが開通。愛知県の県鳥コノハズクのほかモリアオガエル,ムササビが生息。コケ類,シダ類,高山植物に富み,国の名勝・天然記念物に指定されている。天竜奥三河国定公園に属する。

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