鳩吹(読み)はとふき

精選版 日本国語大辞典 「鳩吹」の意味・読み・例文・類語

はと‐ふき【鳩吹】

〘名〙 山鳩を誘いよせるため、または鹿狩の際に猟師が鹿を呼んだり仲間に鹿のいることを伝えるために、手のひらを合わせて吹き、鳩の鳴き声に似た音を出すこと。また、同様の目的で用いられる楽器にもいう。《季・秋》
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一一「鳩吹や慰ながら病あがり 命ひらうて遠山を見る」
[補注]「日葡辞書」には「Fatofucu(ハトフク)。すなわち、シシブエ」とある。挙例の「鳩吹」は「はとふく」と読んだか。

はと‐ふ・く【鳩吹】

〘自カ四〙 両てのひらを合わせて吹き、鳩の鳴声のような音を出す。秋の頃、狩人が鹿の居所を知らせ、また人を呼ぶためにする。《季・秋》
曾丹集(11C初か)「まぶしさしはとふく秋の山人はをのが有かを知らせやはする」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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