鱗片葉(読み)りんぺんよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「鱗片葉」の意味・わかりやすい解説

鱗片葉
りんぺんよう

低出葉(シュートの下方につくられる葉)の一つ。膜質の小さな葉であることもあるが、冬芽を覆う小さく硬い葉がもっともよくみられるものである。鱗片葉は、芽の中の若い普通葉の原基を乾燥や風、雨、雪などから保護する働きをしているとみられる。葉芽、花芽のいずれにもみられるが、なかには、冬芽であっても裸芽(らが)とよばれて、鱗片葉をもたない場合もある(オオカメノキ)。このような芽では、外側の普通葉がやや鱗片葉状となっていることが多い。

[原 襄]

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精選版 日本国語大辞典 「鱗片葉」の意味・読み・例文・類語

りんぺん‐よう ‥エフ【鱗片葉】

〘名〙 地上茎の基部や地下茎につくうろこ状の葉、または、冬芽を包む芽鱗総称。いずれも芽を保護するはたらきがあり、また、タマネギユリ鱗茎葉をいうこともある。鱗葉

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デジタル大辞泉 「鱗片葉」の意味・読み・例文・類語

りんぺん‐よう〔‐エフ〕【×鱗片葉】

うろこ状に重なる厚い葉。芽を保護する芽鱗がりんやタマネギの鱗茎などにみられる。鱗葉。

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世界大百科事典内の鱗片葉の言及

【芽】より

… 落葉樹では秋に落葉のあと冬芽が残るので,冬芽は目だつことが多い。冬芽はふつうすでにたくさんの葉をもち,とくに外側を覆う数枚から多数の葉は成熟した鱗片葉(この場合は芽鱗ともいう)となっていることが多い。鱗片葉は小さく硬いことが多く,芽の内方にある若い小さな普通葉の葉原基,あるいは花や花序の原基を冬のあいだ保護する働きをもつ。…

※「鱗片葉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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