魯(漢字)

普及版 字通 「魯(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 15画

[字音]
[字訓] おろか

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
魚+曰(えつ)。曰は祝を収める器。魚を薦め、祝する儀礼を示す字である。〔説文四上に字を白に従う形とし「鈍詞なり。白に從ひ、魚(ぎよ)聲」とするが声が合わず、「鈍詞」という意も明らかでない。おそらく魯鈍の意とするものであろうが、金文には魯休・魯命・純魯・魯寿など、嘉善の意に用いる字である。なお〔(えいき)〕「拜して稽首し、天子の厥(そ)の順(な)したまへるを魯(よろこ)びとす」、〔井人鐘(けいじんしよう)〕「純(ひじゆん)にして以て魯(おほ)いなり」、〔士父鐘(しほしよう)〕「余(われ)に魯(さいは)ひをし、多無疆ならんことを」などの用法がある。祖祭に魚を用いることは辟雍(へきよう)の儀礼にみえ、魯とは祖祭に関する儀礼をいう字であろう。魯鈍の意は、朴魯(ぼくろ)の義から転じたものとみられ、もとは純魯をいう字であったと考えられる。

[訓義]
1. よろこび、さいわい、めでたい。
2. おおきい。
3. にぶい、おろか。
4. 鹵と通じ、たて。

[古辞書の訓]
名義抄〕魯 マブシ・ノブ・ツツシム・カブル・オロカナリ・オコル・ミチ

[声系]
〔説文〕に魯声として櫓など二字を収める。いずれも(ろ)のように鹵(ろ)声をとる別体の字があり、魯・鹵は声符として通用の義をもつものであろう。

[語系]
魯・鹵laは同声、文字として通用することがある。(旅)liaも声近く、〔説文〕にを魯の古文としている。

[熟語]
魯魚魯鶏魯縞魯酒・魯・魯直・魯鈍魯朴魯論
[下接語]
頑魯・魚魯・愚魯・淳魯・椎魯・朴魯

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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