デジタル大辞泉
「魚」の意味・読み・例文・類語
な【▽魚】
《「肴」と同語源》食用とする魚。さかな。
「海佐知を以ちて―釣らすに」〈記・上〉
お〔を〕【▽魚】
「うお」が他の語と複合して変化した語。「氷魚」
いお〔いを〕【▽魚】
うお。さかな。
「荒海の怒れる―のすがた」〈源・帚木〉
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いお いを【魚】
〘名〙
① さかな。うお。
※
伊勢物語(10C前)九「白き
鳥の
嘴と脚と赤き、
鴫の大きさなる、水のうへに遊びつついををくふ」
[語誌]同義のウオ(ヲ)は奈良時代から使われたが、
イオ(ヲ)のたしかな例は
平安時代からになる。ただし、イオがウオに取って代わることはなく、
散文にイオ、
和歌にウオという
使い分けが認められる。
お を【魚】
〘語素〙 うお(魚)が他の語と熟合したとき変化して生じた語形。「おうお(大魚)」(「おおうお」が変化したもの)、「ひお(
氷魚)」(「ひうお」が変化したもの)など。
※古事記(712)下・歌謡「意布袁
(おふヲ)よし
鮪(しび)突く
海人(あま)よ」
うお うを【魚】
〘名〙
① 魚類の総称名。いお。さかな。お。
※
書紀(720)継体七年九月・歌謡「つぬさはふ 磐余
(いはれ)の池の 水下ふ 紆嗚
(ウヲ)も 上に出て嘆く」
② とくに鮭(さけ)をいう、むかしの料理方の語。〔聞書秘伝〕
な【魚】
〘名〙 (「な(肴)」と同語源) 食用、特に、
副食物とするための魚
(さかな)。
※書紀(720)持統三年七月「越の蝦夷八
釣魚等に賜ふ。各差有り(魚、
此をば儺
(ナ)と云ふ)」
ぎょ【魚】
〘名〙
① うお。さかな。
※甲陽軍鑑(17C初)品四二「敵を引懸る合戦には〈略〉あまりに横ひろからざる処にては魚(ギョ)」
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魚
うお
魚類の総称名。「いお」「さかな」「お」ともいう。平安中期の漢和辞書『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に「水中を連行する虫の総名なり」と水中動物を総称するが、限定的にサケ(鮭)の名称とする用法もある。これは料理方の用法で、『聞書秘伝抄』(1651、慶安4刊)に「うをとばかりおし出して申し候は、鮭のことなり」とある。
[宇田敏彦]
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魚
脊椎動物門硬骨魚綱,軟骨魚綱,円口綱に属する動物.
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魚
北一平による詩集。1968年刊行(木犀書房)。1969年、第2回日本詩人クラブ賞を受賞。
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さかな【魚】
〈さかな〉は中世以来の魚類を総称する語であるが,もとは〈うお〉もしくは〈いお〉と呼び,また,うろこのある点から〈いろくず〉〈うろくず〉とも総称した。魚類が酒席に添えられることが多いために,酒のな(菜)の意で〈さかな〉と称せられ,飲酒の副食物の代表となったと説明されている。なお,魚類の生物学的説明は,〈魚類(ぎよるい)〉の項を参照されたい。
[魚と日本人]
日本は四面を海に囲まれ内陸部にも河川湖沼が多かったから,魚類は種類も量も多く,その捕獲法も早くから発達している。
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世界大百科事典内の魚の言及
【イエス・キリスト】より
…また中世末期から用いられたJHS(イエススJHESUSの略)もこれに類する。 次に,抽象文としてふつうに見られるものは,十字,十字架,およびそれらのさまざまな変化,すなわちまんじ,アンクankh(上に輪のついたT字形十字で,エジプト古来の象徴),ギリシア語のT(タウ)などで,また具象的なものには錨(十字架に似た形でまた信徒の舟を守る意),魚(〈神の子,救い主,イエス・キリスト〉を表すギリシア語Iēsous Christos,Theou Uios,Sōtērの頭文字の組合せが魚ichthysとなるところからであると説明されるが,他の説明もある),羊(犠牲の獣)などがあり,中世盛期になってさらに獅子,ペリカン,フェニックス,鷲,一角獣(ユニコーン)などが加わる。植物象徴としてブドウ,ヤシなどが用いられる。…
※「魚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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