魚沼地方(読み)うおぬまちほう

改訂新版 世界大百科事典 「魚沼地方」の意味・わかりやすい解説

魚沼地方 (うおぬまちほう)

新潟県小千谷市,十日町市,魚沼市,南魚沼市と北魚沼郡中魚沼郡南魚沼郡の4市3郡の総称。人口24万3538(1995)。県の南東部を占め越後・三国両山脈で福島・群馬・長野各県に接し,山地魚沼丘陵と信濃川中流の十日町盆地,支流魚野川の六日町盆地を含む。鉄道はJR上越線と上越新幹線,1997年には北越急行ほくほく線,道路は善光寺街道で長野県へ,三国街道と関越自動車道で群馬県へ,八十里越えで福島県へ通じている。中世には新田氏,上杉氏の進出など関越の接点で,上田荘,妻有(つまり)荘,藪神荘があった。農業を主とし,また古くから越後上布や小千谷縮など麻織物の特産地であったが,明治以後十日町を中心に絹織物業が盛んになり,山麓機業が発達した。信濃川水系の東京電力,JRの発電所から関東地方へ送電する電源地帯でもある。全国有数の豪雪地帯(積雪量は平年で3m)で,昭和初めに通じた上越線沿線に多くのスキー場が開設され,1980年代には鉄道,道路が急速に便利になって温泉と相まって観光開発が進められている。湯沢温泉川端康成の《雪国》の舞台であり,秋山郷は塩沢出身の鈴木牧之(ぼくし)の《秋山記行》で知られ,山村生産用具は民俗文化財に指定されている。
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世界大百科事典(旧版)内の魚沼地方の言及

【越後国】より

…また村上,村松等の茶産地が発展した。麻織物は元禄年間幕府の御用縮として指定を受けたため魚沼地方で縮生産が振るい,十日町では文政年間(1818‐30)宮本茂十郎が西陣の技法を伝えて絹麻交織が始まった。栃尾,五泉,山辺里(さべり)等にも絹織物産地が成立した。…

※「魚沼地方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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