魏志東夷伝(読み)ぎしとういでん(英語表記)Wei-zhi dong-yi-zhuan; Wei-ji-tong-i-jǒn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「魏志東夷伝」の意味・わかりやすい解説

魏志東夷伝
ぎしとういでん
Wei-zhi dong-yi-zhuan; Wei-ji-tong-i-jǒn

中国の正史の一つ,『三国志』のうち『魏書』 30巻に東夷伝があり,それを一般に「魏志東夷伝」という。扶余,高句麗,東沃沮,ゆう婁 (ゆうろう) ,濊,馬韓,辰韓弁辰,倭人などの諸伝がある。これらは東夷諸族に関する文献として最古のもの。紀元前後から魏の正始年間 (3世紀中頃) までの期間が記され,地理,風俗,祭祀官爵,東夷諸族間の関係,漢土との外交,戦闘などの記事がある。5世紀に『魏略』『魏氏春秋』『蜀記』からの引用が注として多く入れられ,東夷諸族の研究上重要なもの。

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