鬼に金棒(読み)おににかなぼう

精選版 日本国語大辞典 「鬼に金棒」の意味・読み・例文・類語

おに【鬼】 に=金棒(かなぼう)[=鉄撮棒(かなさいぼう)・=金梃(かなてこ)

(強い鬼にさらに金棒などを持たせるというところから) もともと強いものが、いっそう強くなること。また、似合わしいものが加わって一段と引き立つことにいう。鬼に鉄杖
花鳥余情(1472)二「もとのしなたかき人の時世のおぼえならぶかたなき人をいふ。鬼にかなさい棒といふがごときなり」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「あれで愛敬(あいけう)がありゃア鬼(オニ)鉄棒(カナボウ)さ」

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デジタル大辞泉 「鬼に金棒」の意味・読み・例文・類語

おに金棒かなぼう

《強い鬼にさらに武器を持たせる意から》ただでさえ強いものに、一層の強さが加わること。鬼に鉄杖てつじょう
[類語]有望有為末頼もしい頼もしい心強い心丈夫気丈夫頼り甲斐安心豪放磊落らいらく大船に乗ったよう

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ことわざを知る辞典 「鬼に金棒」の解説

鬼に金棒

ただでさえ強い鬼に、強力な武器である金棒を持たせると、さらに強くなる。もともと強い者に何かが加わって、さらに強力な者になることのたとえ。また、すぐれた者に似つかわしいものが加わって一段と引き立つことのたとえ。

[使用例] ソースだけは一朝一夕では出来ない。煮込みに煮込み、使い馴らしたソースが出来てこそ鬼に金棒であった[平岩弓枝*女たちの家|1980]

[解説] 金棒のカナ金属、鉄の意で、「鉄棒」と書く場合も多くは「かなぼう」と読みます。古くは「鬼にかなさいぼう武具の一つで、イボのついた太い鉄の棒。鬼の絵などで、鬼が手に持っているとされる棒)」の形でも使われていましたが、江戸時代にはほぼ「鬼に金棒」の形式になりました。

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