鬱鬱(読み)ウツウツ

デジタル大辞泉 「鬱鬱」の意味・読み・例文・類語

うつ‐うつ【鬱鬱】

[ト・タル][文][形動タリ]
心の中に不安や心配があって思い沈むさま。「鬱鬱として日を過ごす」
草木がよく茂っているさま。
「或は―とした松並木を過ぎ」〈荷風・地獄の花〉
[類語]うっとうしい憂鬱憂愁沈鬱メランコリー気鬱気塞ぎ陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気鬱悶鬱積抑鬱憂さ物憂いびんびんせつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心から哀切哀れ悲しい物悲しいうら悲しいせつないつらい痛ましい悲愴悲痛悲傷沈痛苦しい憂い耐えがたいしんどい苦痛やりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がるけだるいアンニュイ胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む悶悶もんもん

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精選版 日本国語大辞典 「鬱鬱」の意味・読み・例文・類語

うつ‐うつ【鬱鬱】

〘形動タリ〙
① 草木のおい茂っているさま。
※本朝文粋(1060頃)一・柳化為松賦〈紀長谷雄〉「只須鬱於秦皇之封。徒観其翠惟新葉」
※入郷記(1906)〈国木田独歩〉「一山の鬱々(ウツウツ)と茂りたるあり」
② 雲や霧がたれこめているさま。
※菅家文草(900頃)四・寄白菊四十韻「鬱々江雲臭 濛々澗雨温」
③ 気がめいってはればれしないさま。心配して心を悩ますさま。
明衡往来(11C中か)中本「鬱々之処今賜此仰。聊慰思緒
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「文三の鬱々として楽まぬのを余所(よそ)に見て」

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普及版 字通 「鬱鬱」の読み・字形・画数・意味

【鬱鬱】うつうつ

木が茂る。〔文選古詩十九首、二〕たる河 鬱鬱たる園中の柳

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