鬱勃(読み)うつぼつ

精選版 日本国語大辞典 「鬱勃」の意味・読み・例文・類語

うつ‐ぼつ【鬱勃】

〘形動タリ〙 (「鬱」は上から押えて、ものを中にこもらせること、「勃」は草木が芽を出すように、中にたまったものがふき出すこと) こもりつもった気が盛んに出るさま。また、胸中にみちふさがる意気が、今にも発しようとしているさま。また、意気が盛んにわき起ころうとするさま。
日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉六「憂国の心非常に鬱勃たり」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉七「泣くか、笑ふか、怒るか、分からぬ鬱勃たる言葉は」 〔漢武帝内伝〕

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デジタル大辞泉 「鬱勃」の意味・読み・例文・類語

うつ‐ぼつ【鬱勃】

[ト・タル][文][形動タリ]内にこもっていた意気が高まって外にあふれ出ようとするさま。また、意気が盛んなさま。「鬱勃たる闘志」
「何か―とした田舎ものの気概情熱が籠っていた」〈秋声仮装人物
[類語]軒昂けんこう盛ん旺盛衝天清新溌剌澎湃ほうはい血気盛ん

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普及版 字通 「鬱勃」の読み・字形・画数・意味

【鬱勃】うつぼつ

茂るさま。魏・応楊柳の賦〕陽春の和に赴き、纖柳を植ゑて以て涼を承(う)く。豐(の)ばして廣く布き、として鬱勃として、以て陽にく。

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