高麗門(読み)こうらいもん

精選版 日本国語大辞典 「高麗門」の意味・読み・例文・類語

こうらい‐もん カウライ‥【高麗門】

〘名〙 門の一様式。正面左右の二本の本柱に切妻(きりづま)屋根をかけ、これと直角控柱を本柱の背後に立てて切妻屋根をかけたもの。城郭外門などに多く見られる。

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デジタル大辞泉 「高麗門」の意味・読み・例文・類語

こうらい‐もん〔カウライ‐〕【高麗門】

本柱2本と控え柱2本とからなる門。本柱上に切妻屋根、控え柱上にも別に屋根がかかる。主として城郭の門に用いられた。

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世界大百科事典(旧版)内の高麗門の言及

【城】より

…扉は鉄板や鉄鋲で補強され,安土城や大坂城の〈黒鉄(くろがね)門〉の名の由来となった。文禄・慶長の役後は,櫓門の前に高麗(こうらい)門と呼ばれる門が建てられ,櫓門とともに石垣の塀で囲った升(桝)形が完成する。(2)塀 戦国時代は土塀であったが,漆喰塗壁,下見板張り,瓦葺きに変わった。…

【升形(桝形)】より

…升形を虎口の内側に設けるのを内升形といい,これが通常の形式で,外側に設ける外升形は数が少ない。升形に二つの門を開き,外に面した一の門を2本の角柱で妻破風造の屋根を支える高麗門(多門)形式とし,より重要で堅固に造られる内側の二の門は,渡り櫓に入母屋造の屋根を載せる櫓門形式で造られるのが通常である。そしてこの二つの門は,必ず直角に配される。…

【門】より

…あるいは屋根のないものをいったのであったろうか。 高麗(こうらい)門(図9)は2本の門柱の上に冠木をのせ,腕木で桁(けた)を支え,切妻屋根をかけ,内方に控柱を立て,本柱と控柱の間にも切妻造の小屋根をかけ,門の扉をあけたとき雨にぬれないようにしたもので,わき戸を有するものもある。城の升形(ますがた)の前方の門はこの形式とし,後方の門は櫓門とする。…

※「高麗門」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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