高野竜神国定公園
こうやりゅうじんこくていこうえん
和歌山県北東部の高野山からその南方の竜神温泉を含む山岳を中心とした国定公園。1967年(昭和42)指定。面積191.98平方キロメートル。高野山は紀伊山地の生成を物語る隆起準平原で、その山頂平坦(へいたん)面に816年(弘仁7)空海(弘法(こうぼう)大師)創建の真言密教道場金剛峯寺(こんごうぶじ)を囲む100余の寺坊があり、その間に町並みの続く特異な山岳宗教景観を示す。1980年に高野山から護摩壇山(ごまだんざん)を通り龍神温泉に至る高野龍神スカイラインが完成、来訪者が増加した。奈良県境の護摩壇山(1372メートル)は自然林に覆われ、近くの立里(たてり)荒神とともに修験道(しゅげんどう)ゆかりの山でもある。日高川最上流の渓谷に湧(わ)く竜神温泉も修験にかかわる古い温泉で、落人(おちゅうど)伝説などの多い秘湯である。
[小池洋一]
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「高野竜神国定公園」の意味・わかりやすい解説
高野竜神国定公園【こうやりゅうじんこくていこうえん】
奈良・和歌山県境の山地にある国定公園。面積191.98km2。1967年指定。南北30kmにわたってヒノキ,スギ,ブナの森林が続き,陣ヶ峰,白口峰,護摩壇山など1000m内外の山がそびえる。千年の歴史をもつ霊地高野山,修験(しゅげん)道山岳道場の護摩壇山,日高川上流の竜神温泉(重曹泉,48℃)が中心で,サル,カモシカも生息。観光基地は高野町,田辺市など。高野竜神自動車道が通じる。
→関連項目かつらぎ[町]|高野[町]|清水[町]|田辺[市]|和歌山[県]
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デジタル大辞泉
「高野竜神国定公園」の意味・読み・例文・類語
こうやりゅうじん‐こくていこうえん〔カウヤリユウジンコクテイコウヱン〕【高野竜神国定公園】
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世界大百科事典内の高野竜神国定公園の言及
【有田川】より
…流域の中心都市は長い間南隣の湯浅町であったが,河口の有田市に近代工場が進出するにつれ,しだいに銀行,官庁が移動して有田市が中心都市になりつつある。有田川の上流は高野竜神国定公園に指定され,70年に高野竜神スカイラインが開通した。海岸はリアス海岸が発達し,西有田県立公園に含まれ,釣場として関西の人を集めている。…
※「高野竜神国定公園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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