高等教育質保証機構(読み)こうとうきょういくしつほしょうきこう

大学事典 「高等教育質保証機構」の解説

高等教育質保証機構
こうとうきょういくしつほしょうきこう

イギリスでは,質保証制度の導入に先駆け,大学側が大学学長委員会を中心として1989年に独自の学術監査部(イギリス)(Academic Audit Unit: AAU)を創設し,翌90年から各大学における教育の自己評価を開始した。1992年の高等教育一元化に伴い,高等教育質審議会(イギリス)(Higher Education Quality Council: HEQC)が設立され,AAUもHEQCに統合された。1997年に質評価部門(Quality Assessment Division: QAD)とHEQCが統合されて高等教育質保証機構(QAA)が設立され,高等教育の質と水準の維持のために中心的な役割を果たすことになった。

 発足当時のQAAの仕事は,①高等教育の質の維持と向上,②財源用途を明示する科目別調査判定の実施,③公的財源の保証,④科目別調査報告書や総覧の出版による教育の質向上の奨励,⑤高等教育の質に関する有益かつ入手可能な情報の提供であった(QAA 1999,QAA 2000)。その後,教育評価が2001年をもって一巡したことに伴い,QAAによる教育評価のあり方について検討がなされ,2002年に教育技能省は,①機関ごとの評価に変更し,分野別評価を大幅に削減,②各機関の提供する情報の正確さ・適切さを重視する,といった教育評価の枠組みを公表している(QAA 2002,イングランド高等教育財政審議会:HEFCE 2002)
著者: 秦由美子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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