高田松原(読み)タカタマツバラ

デジタル大辞泉 「高田松原」の意味・読み・例文・類語

たかた‐まつばら【高田松原】

岩手県陸前高田市にある砂浜海岸広田湾に注ぐ気仙川が運んだ土砂潮流影響による、長さ2キロメートルの遠浅の砂浜。7万本のアカマツクロマツの林が砂防林として続く名勝であったが、平成23年(2011)3月の東北地方太平洋沖地震による津波で松林は壊滅した。

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日本歴史地名大系 「高田松原」の解説

高田松原
たかたまつばら

高田町の南端にある広田ひろた湾の湾底にあたる砂浜。古くは立神たつがみ浜とよばれた。広田湾に注ぐ気仙けせん川が運んだ土砂によって形成され、東西二・五キロにわたる弓浜となっている。砂浜の西寄りに一・八キロにわたってクロマツ、アカマツの松原がある。国指定名勝。現在は潮害防備保安林でもあり、都市公園法による都市公園および陸中海岸国立公園の一部をなし、市営松原球場、高田松原海水浴場などが設けられている。この松原は潮害防備のため、高田村菅野杢之助が寛文六年(一六六六)仙台藩の助成と地元民の協力を得、翌七年には六千一九八本のマツを植え、その後も多年にわたり補植を行って成林したもの(延宝八年「願書」浄土寺文書)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「高田松原」の意味・わかりやすい解説

高田松原
たかたまつばら

岩手県南部、陸前高田市の広田湾に臨む景勝地で国指定名勝。三陸復興国立公園(旧、陸中海岸国立公園)の域内。気仙(けせん)川が運んだ土砂による東西約2.5キロメートルの砂浜に、1667年(寛文7)高田の豪商菅野杢之助(かんのもくのすけ)(1617―1671)が仙台藩の支援のもとに、6200本余のクロマツを防潮林として植林したもの。海水浴場としても知られ、野球場やキャンプ場もあったが、2011年(平成23)3月11日の東北地方太平洋沖地震の津波でクロマツはほぼ壊滅した。JR大船渡(おおふなと)線BRT(バス高速輸送システム)陸前高田駅(停留所下車

[川本忠平]


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デジタル大辞泉プラス 「高田松原」の解説

高田松原〔景勝地〕

岩手県陸前高田市にかつて存在した白砂青松の景勝地。広田湾に沿う遠浅の砂浜で、江戸時代に植栽が始まったクロマツの林が広がり、国の名勝にも指定されていたが、2011年の東日本大震災による津波のため、約7万本といわれる松林は大半が流出、往時の景観は失われた。唯一耐え残った松は「奇跡の一本松」と呼ばれて同市の復興のシンボルとなり、枯死が確認された後も防腐処理などを施したモニュメントとして現地に立てられている。

高田松原〔道の駅〕

岩手県陸前高田市にある道の駅。国道45号に沿う。2011年3月の東日本大震災により休館。施設は震災遺構として保存され、西側に新施設を建築。2019年9月、東日本大震災津波伝承館とともにオープン。

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事典・日本の観光資源 「高田松原」の解説

高田松原

(岩手県陸前高田市)
日本の白砂青松100選」指定の観光名所。

高田松原

(岩手県陸前高田市)
森林浴の森100選」指定の観光名所。

高田松原

(岩手県陸前高田市)
日本の渚・百選」指定の観光名所。

高田松原

(岩手県陸前高田市)
日本百景」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の高田松原の言及

【陸前高田[市]】より

…漁業は広田・長部両港を拠点に遠洋・巻網漁業が古くから行われ,また広田湾内ではワカメ,ノリ,ホヤ,ホタテ,カキの養殖が盛んで,サケの養殖も行われる。名勝高田松原は,2km余にわたる白砂青松の海岸で,海水浴場でもある。付近はシュロ,ザクロ,イチジク,ビワ,モウソウチク,茶など暖地性植物が自生し,厳寒期に咲くツバキは有名である。…

※「高田松原」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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