高田(新潟県)(読み)たかだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高田(新潟県)」の意味・わかりやすい解説

高田(新潟県)
たかだ

新潟県南西部、上越市(じょうえつし)の一部をなす旧行政中心都市。1614年(慶長19)徳川家康の六男松平忠輝(ただてる)がこの地に配され、高田藩城下町として栄えた。1907年(明治40)第13師団司令部が置かれて軍都となり、1911年上越地区の行政府として県下第三位の市制が敷かれた。第二次世界大戦後は近郊8か村が合併され、城跡に自衛隊や総合グラウンド、博物館などが置かれ、お堀端には数千本のサクラが植えられ市民の憩いの場になっている。また、市街東の上新バイパスや周りの新住宅地以外は旧城下町形態がそのまま保存されている模式的城下町で、「森の都」とよばれている。駅前の商店街は、北国街道(ほっこくかいどう)と北陸街道の分岐点にあたる。大手門前は町人町で、駅裏は寺町通りになっており、寺院が多い。北東の関川べりは河岸場(かしば)町で、今町湊(いままちみなと)(直江津)との舟運が盛んであった。スキー用品、農機具、細幅織物、家具などが生産され、豪雪地帯特有の雁木(がんぎ)の町で知られる。南波(なんば)丘陵麓(ろく)の金谷(かなや)山はオーストリアの軍人レルヒTheodor von Lerch(1869―1945)が伝えたわが国スキーの発祥地で記念館があり銅像も立っている。

[山崎久雄]

『『高田市史』(1914・高田市)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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